- 品切れ中 -
|
|
タイトル |
裁量労働制に関する調査 |
著作者 |
|
コード |
P-199407 |
カテゴリー |
企画調査報告書 |
書籍カテゴリー |
書籍/人事・労務 |
発行年月 |
1995/01/01 |
価格(税込) |
1,602円
(本体価格 1,456円)
|
在庫状況 |
品切れ |
体 裁 |
B5判 |
ページ |
139 |
概 要 |
現在裁量労働制を導入している企業は、回答企業の3.3%にとどまっているが、未導入企業の29.1%が「おおいに関心がある」と回答し、42.1%の企業が「やや関心がある」としている。そして未導入企業のうち6.8%の企業が「現在導入を検討している」と回答し、32.8%の企業が「今度導入を検討してみたい」としている。
裁量労働制が注目されている理由としては「仕事の評価において成果志向を徹底させていくことができる」が最も多く挙げられているが、その一方で裁量労働制を導入する企業が少数にとどまっている理由として最も多く挙げられているのは「成果の評価方法が確立していないため」となっている。
裁量労働制への関心が強い企業では、裁量労働制の導入が進まない理由として、「法的に適用対象業務が限られているため」とする企業も多い。法的な適用対象業務が拡大された場合、現在の適用対象業務である場合に比べて、裁量労働制を導入する企業は「かなり多くなる」と回答した企業が29.3%、「やや多くなる」と回答した企業は55.7%で、法的な適用対象業務の拡大如何が今後の裁量労働制の普及に少なからず影響を持っていることが窺われ、今後の動向が注目される。
現在裁量労働制の対象になっている人の、導入に対する全体的な評価は、「たいへんよかった」が21.1%、「まあまあよかった」45.9%となっており、「以前とあまり変わらない」23.1%、「導入しない方がよかった」8.7%を大きく上回っている。ただ、問題点として「導入前より労働時間は長くなる、あるいはやや長くなる」と回答している人が半数近くいる。
裁量労働制の普及に向けた今後の課題
(1)公正で納得性の高い評価方法の確立
裁量労働制を導入した際の懸念として、「成果の評価が難しい」とする企業が多い。対象者が納得して受け入れることのできる評価でなければ、モラルダウンを招くだけであり、公正で納得性の高い評価方法の確立が求められる。
(2)導入に当たって企業は趣旨の明確化と仕事の与え方、成果に見合った報酬体系の確立が急務
裁量労働制の導入が、残業代の切捨て策として乱用されるのではないかとの懸念があるが企業がもしそのような目的で導入すればモラルダウンを招くだけである。裁量労働制は個々人の自主性の委ねる制度であるからこそ、その対象となる個人、その職場が前向きな姿勢であって始めて成果を発揮する。したがって対象者の選定に当たっては、本人の同意を前提とすべきである。従って企業は導入に当たって、趣旨の明確化と仕事の与え方、成果に見合った報酬体系の確立等が求められる。
(3)対象業務の法的規制拡大に関しては一定の基準と、労使でデメリットを最小限に抑えメリットを最大限に活かせる工夫を
とはいえ、組合側としては裁量労働制の対象業務の拡大は、サービス残業の拡大につながりかねないとの懸念があると思われる。またわが国の労働組合組織率が25%を切っている状況からも、何らかの歯止めは必要となろう。この点に関しては労働基準法研究会も提言している許可制なども検討に値すると思われる。許可基準として有給休暇取得率や組織としての総実労働時間の水準を設定することも考えられる。さらに予想されるデメリットを最小限に抑え、労使でメリットを最大限に活かせるような工夫が労使に求められる。
(4)制度を活かす情報通信技術等による環境整備を
現在裁量労働制を導入している企業では1日1回の出社を義務づけている企業も多く、裁量労働とはいえ在宅勤務が可能になっていない。裁量労働をより魅力的な制度にするために、成果に対する評価方法等ソフト面の整備に加えて、情報通信技術の進歩によるハード面の整備も企業・社会に求められる。
(4)労働組合は組合員のニーズを適切に把握し、運用面の適切なチェックを
対象業務の拡大の如何に関わらず労働組合の役割は重要である。現在の対象業務でも導入に当たっては労使協定の締結が必要である。導入に当たっては組合員のニーズがあるのか、導入後は導入の趣旨通りに制度が運用されているかチェックし、よりよい制度にしていくために労使で検討を重ねていくことが求められる。 |
参考URL |
|
添付ファイル |
|
目 次 |
|
|