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タイトル |
日本的人事制度の変容に関する調査報告書(1998) |
著作者 |
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コード |
P-199802 |
カテゴリー |
企画調査報告書 |
書籍カテゴリー |
書籍/人事・労務 |
発行年月 |
1998/02/01 |
価格(税込) |
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在庫状況 |
品切れ |
体 裁 |
B5判 |
ページ |
154 |
概 要 |
『日本的人事制度の変容に関する調査』結果
年俸制導入企業 4割が評価に課題
退職金給与上乗せ方式の導入
「関心はあるが検討課題が多く、現状では何ともいえない」65.8%
社会経済生産性本部は昨年11月に日本的人事制度の現状と課題を探るため、上場企業
2246社の人事労務担当役員・部長を対象に『日本的人事制度の変容に関する調査』を実施した。(有効回答数 380社、回収率16.9%)
以下が調査結果のポイントである。
(1)年俸制の導入状況と課題
現在年俸制を「すでに導入している」企業は18.7%で、96年1月に生産性研究所が行った調査時点の9.8%から2倍近くに増えている。
しかし導入企業に評価制度の現状について尋ねた結果「ほぼうまくいっており、現在特に問題はない」と回答した企業は18.3%にとどまっている。「あまりうまくいっておらず早急に改善する必要がある」とする企業は2.8%だけであるが、「特に問題は起きていないが、改善の必要はおおいにある」とする企業が38.0%あり、4割の企業が評価制度に課題を持っていることが分かる。さらに「まずまずうまくいっているが、多少の改善が必要である」企業の36.6%を含めると7割以上の企業が改善の必要性を感じていることになる。
問題点としては「評価者間で基準の統一が難しい」と「仕事の質の異なる人たちを適切に評価することが難しい」を挙げた企業がそれぞれ65.5%、60.0%と多くなっている。また、年俸制を導入していない企業でも8割の企業が「納得性のある評価をすることが難しい」としている。
(2)退職金の給与上乗せ
退職金の給与上乗せ方式(賃金化)に「おおいに関心がある」企業は4.5%、「やや関心がある」企業が51.6%となっているが、「特に関心はない」とする企業も43.4%と多くなっている。
具体的な導入に関しても「従業員の選択肢の一つとして導入していきたい」とする企業は7.6%にとどまっており、「関心はあるが検討課題が多く、現状では何ともいえない」という企業が65.8%と多くなっている。
今後の導入見通しに関しては「かなり広まっていく」と考える企業が5.8%、「やや広まっていく」と見る企業が49.2%あるが、「あまり広まらない」と見る企業も43.7%あり、見方が分かれている
(3)終身雇用慣行に対する考え
「終身雇用慣行はできるだけ維持していきたい」と考えている企業は46.8%で、「終身雇用慣行には特にこだわらない」とする企業の38.2%を上回っている。
終身雇用慣行のメリットとして「雇用の安定によって従業員に精神的安定感を与え、モラルの向上が期待できる」ことを66.8%の企業が挙げている。次いで「従業員の会社に対する帰属意識・忠誠心が高まる」(65.5%)、「安心して人材に投資できるので、従業員の計画的な育成が可能になる」(62.4%)が挙げられている。終身雇用慣行を維持していこうとする企業とこだわらない企業では「安心して人材に投資できるので、従業員の計画的な育成が可能になる」「労使関係を安定し円滑にできる」などの項目で評価に違いが見られる。
終身雇用慣行のデメリットとしては「組織の高齢化に伴い、人件費負担が大きくなる」ことを86.3%の企業が挙げている。次いで「高年齢になると職務と能力の間に開きができる」を挙げた企業が57.4%、「景気の変動に柔軟に対応できない」を挙げた企業が56.1%となっている。デメリットに関しては終身雇用慣行を維持していこうとする企業とこだわらない企業の評価はほぼ一致している。
(4)今後の賃金制度〜年功主義か能力主義・成果主義か
管理職層に対する今後の賃金制度の方針として、「年功主義を最小限にして能力主義・成果主義を中心とする」企業が最も多く42.9%で、「ほぼ全面的に能力主義・成果主義とする」企業も30.0%見られる。
一般職に関しては「年功主義を残しながら能力主義・成果主義を重視する」企業が42.6%と最も多く、管理職の場合に比べると年功を重視する企業が多くなっている。
管理職層に対しても一般職層に対しても、終身雇用慣行にこだわらない企業の方が成果主義をより強めていこうとしている。
(5)成果主義と評価制度
成果主義と評価制度の関係について尋ねた結果、「評価制度が不十分なうちは、早急に成果主義を導入すべきではない」という意見に賛成する企業は51.6%と半数を超えている。これに対し「評価制度が十分でなくとも、成果主義を導入する事が不可欠だ」という意見に賛成する企業は36.0%で、評価制度の確立を重視する企業が多くなっている。
(6)個人の紛争処理を扱う仕組み
企業が成果主義を強めていった場合、個人の苦情処理を扱う新しい仕組みが必要になるか聞いたところ「全くそう思う」と回答した企業が21.8%、「ややそう思う」と回答した企業が50.5%あり、7割以上が新しい仕組みの必要性を感じている。
(7)組織の生産性
組織の生産性に関して、「少数でもできる人をより伸ばすことが、組織の生産性向上につながる」という意見に賛成する企業は48.9%と半数近く、「より多くの人を少しづつでも伸ばすことが、組織の生産性向上につながる」という意見に賛成する企業30.8%を上回っており、この点に関しては従来の組織運営を変えていこうとする企業が多くなっている。
(8)選択定年制と60歳以降の雇用
選択定年制(定年前早期退職優遇制度)を導入している企業は48.7%で、「導入の方向で検討している」企業8.7%を含めると半数を超える。役職定年制を導入している企業も55.0%と半数を超えている。60歳以降の雇用に関しては、「一律的な制度ではなく、個別に対応する」方針の企業が38.7%、「再雇用制度、勤務延長制度などで対応する」方針の企業が37.1%になっている。終身雇用慣行を維持していこうとする企業では「再雇用制度、勤務延長制度などで対応する」方針の企業が多く、終身雇用慣行にこだわらない企業では「一律的な制度ではなく、個別に対応する」方針の企業が多くなっている。
(9)カフェテリア・プラン
従業員がメニューの中から選択できる福利厚生制度であるカフェテリア・プランの導入に関して、「すでに導入している」企業は3.2%、「導入の方向で検討している」企業が8.7%とあまり多くない。しかし「関心はあるが検討中である」企業が56.8%あり、何らかの形で福利厚生の見直しを進めようとしている企業が多いことが伺われる。
(10)職務給をベースにした賃金制度
職務給をベースにした賃金制度に関心があるか聞いた結果、「おおいに関心がある」と回答した企業が30.3%、「やや関心がある」と回答した企業が48.7%で、じつに8割の企業が職務給をベースにした賃金制度に関心を示している。
今後日本企業の間に広まっていくと思うか尋ねた結果、「かなり広まっていく」と考える企業は27.9%、「やや広まっていく」と考える企業が49.5%となっており、ほぼ関心度に対応した結果になっている。
(11)労働市場の展望
今後10年を展望した場合、労働市場の流動性が「かなり高まる」と考える企業は30.5%、「やや高まる」と考える企業が63.2%となっている。10年を展望した場合の失業率については、「やや高くなる」と考える企業が58.7%で、「かなり高くなる」と考える企業は9.7%にとどまっている。 |
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