1996.3.

県別生産性ランキングの測定(1996)

県別生産性ランキングの測定等について

 社会経済生産性本部は経済活動分野別付加価値生産性ランキングを測定し、それに関連する若干の県別の経済成長要因比較をした。生産性測定にとって統計的制約があるため、ランキングは1975年度、1978年度、1981年度、1986年度、1991年度について測定されている。
(91年度の生産性第1位は東京)
 農林水産業と公務を除く産業計の、1991年度の都道府県別・名目付加価値生産性第1位は東京で第2位は滋賀であり、中位の24位は山梨、最下位の第47位は宮崎であった。1975年度時点では、第1位は千葉で第2
(75~91年度名目生産性ベスト5、単位:百万円)
産業計

75年度

78年度

81年度

86年度

91年度
第1位
千葉
3.987
神奈川
4.971
神奈川
6.074
東京
8.145
東京
10.730
第2位
東京
3.900
東京
4.865
東京
5.870
滋賀
7.126
滋賀
9.607
第3位
神奈川
3.809
千葉
4.781
千葉
5.646
神奈川
6.990
神奈川
8.836
第4位
大阪
3.564
愛知
4.593
愛知
5.570
千葉
6.931
愛知
8.462
第5位
埼玉
3.546
奈良
4.592
大阪
5.479
愛知
6.788
千葉
8.435
製造業

75年度

78年度

81年度

86年度

91年度
第1位
千葉
4.880
神奈川
6.760
神奈川
8.402
神奈川
9.110
滋賀
12.811
第2位
神奈川
4.780
千葉
5.741
和歌山
7.713
滋賀
9.084
大分
11.716
第3位
和歌山
4.775
大分
5.717
千葉
7.125
千葉
8.922
山口
11.616
第4位
東京
3.989
和歌山
5.711
兵庫
6.679
大分
8.758
神奈川
11.493
第5位
山口
3.726
栃木
5.522
大分
6.625
山口
8.751
千葉
11.132
商業等

75年度

78年度

81年度

86年度

91年度
第1位
広島
3.159
広島
3.822
東京
4.514
東京
6.077
東京
8.123
第2位
東京
3.035
東京
3.782
広島
4.322
広島
5.134
大阪
6.439
第3位
大阪
2.835
福岡
3.582
大阪
4.255
大阪
5.098
福岡
5.950
第4位
福岡
2.830
大阪
3.449
福岡
3.910
福岡
4.760
広島
5.884
第5位
愛知
2.584
京都
3.167
愛知
3.777
熊本
4.337
長崎
5.507

位は東京であり、中位の24位は宮城、最下位の第47位は島根であった。
(81年度以降、生産性の県別格差は拡大)
 75年度~81年度ぐらいまでは生産性の県別格差は拡大も縮小もしていないが、81年度~91年度にかけては生産性格差は拡大している。金額では、1985暦年価格で、第1位と第47位の生産性の格差は75年度に2,071千円であったものが、91年度には4,778千円になっている。
(成長への寄与、東京は商業等、滋賀は製造業で大)
 経済成長率は生産性上昇率と労働増加率の和に等しいという関係があるが、経済成長への貢献は東京では卸売小売業・サービス業を含む商業等で大きいが、滋賀では製造業での貢献が大きくなっており、両者ともその分野で全国平均を大幅に上回っている。
(東京の商業等の生産性向上、滋賀の製造業の生産性の向上)
 東京の商業等は75年度~81年度にかけては労働増加型の成長であったが、81年度~91年度にかけては生産性向上型の成長になっている。滋賀の製造業は75年度のランキングは第15位であったが、その後順調にランキングアップして91年度には第1位になっている。商業等と製造業の合計は、91年度・産業計ベースで、付加価値で65%、従業者ベースで79%のシェアを占める。したがってこの分野での生産性向上は非常に重要である。